ホームメイド・ピッツァづくりを始めようとしているあなたへ、5つのアドバイス

ホームメイド・ピッツァづくりでしてはいけない5つのエラーと、状況に応じた順応性については、すでに言及した。このご時世、イースト・水・小麦粉で出来たこのファンタスティックな世界にデビューしようとするホームキッチン・ピッツァイオーロは、増加の一途を辿っている。その際の彼らの傾向として、自分の腕を過信し過ぎたり、極端な行動に出るパターンが見受けられる(なお、ホームメイド・ピッツァに関するガイド・レシピ・アドバイスを覗いてみたい方、腕に寄りをかけた自作の逸品をコミュニティでシェアしたい方は、Garage Pizzaのこちらまで)。

「生まれつき全知全能」などと言う人間はいない訳で、当然間違いも犯しがちだ(ただし、過ちは成長する手段でもあることを、忘れてはならない)。興奮のあまり、あせってしまうこともあるだろう。そんな初期のドタバタは、我々全員が通過した過程である。ここで我々が、ピッツァ・ナポレターナを自宅でつくろうと決意した人々に5つのアドバイスを捧げたいと思ったのは、正にそのために他ならない。さあ、メモの準備は万端だね?

いきなり全力で飛ばさない

その昔、もう少し体を動かそうと、ランニングを始めることとした時、その最低限の必需品すら持ち合わせていなかった私は、ランニング用ウエアを片っ端から買い漁った。今振り返ると、自分がそれなりの頻度で練習するランナーになるかどうかすら未知数、という時点で行ったこの我がショッピングは、ムダ金となる危険性が高いものだったと言える。ホームメイド・ピッツァに着手した時に、もし同様の行動を取っていたら、真っ先に何百ユーロもするオーブンに手を出し、これが思うような実を結ばなかった場合は、金をどぶに捨てる目に遭い、ホームメイド・ピッツァに対する情熱も下火となる事態を招いていたはずだ。そのため、私が皆さんに捧げる最初のアドバイスは、「しょっぱなから飛ばさず、何事も然るべき時期を待つこと」、となる。

手始めとしては、家庭用オーブンの耐熱石板で十分である(ピッツェリアで口にするようなピッツァ・ナポレターナを生み出すことは出来ないが)。こうして焼成した1枚は、ピッツァ・ナポレターナをとは言えないとする方もおいで(ただし、他にも多種多様なタイプのピッツァが存在することは、常に念頭に置いておこう)で、この意見は正しい。しかし、この段階で我々が重視しているのは、皆さんが撒こうとしている種が、花を咲かすものかどうか、と言う点である。そうと決まれば、あなたに最適の一台を求めて、電気、薪、ガスと様々なタイプのオーブンを試しまくり、懐が許す限り、お望み通りの高額な投資を実行すれば良い(ホームメイド・ピッツァ用オーブン:全タイプを一堂にを参照のこと)。

基本的な用具

一定の規則に準じて何かを学び始めようと思うなら、「いきなり全力疾走しない」とは、「最低限の器材を準備しなくても良い」ということではない。私としては、ホーム・ピッツァイオーロが真っ先に購入すべきものは、オンラインでも入手が容易なレーザー式温度計だと確信している。ミキシングと捏ねを完了しようとしている生地から、オーブン、さらには石材やフライパン(コンボ方式を思い出していただきたい)まで、あらゆる温度の計測に必須のこの器材を備えれば、ある程度きっちりした仕込みや調理に取り組むための、スタートラインに立つ資格を得たも同然である。

目分量は、新たな針路との出会いとなってくれる場合もあるが、初期段階でまず目指すべきは、自分のつくり方に最低限の再現性を持たせることである。そのため、2つ目に購入すべきものは、面倒な方法に頼ることなくを、生地に加えるイーストの量を計ってくれる、精密スケールである。

不屈の精神

体内にサンマルツァーノ・トマトやバジルと同じDNAが組み込まれている方でない限り、初期のホームメイド・ピッツァづくりは、容易ではない。家族はあなたに憐みの眼差しを向け、「もうちょっと焼いた方が良かったんじゃない」と言ったものか、あなたを傷付けないように黙って半生の生地を飲み込んだものか、悩み続けるはずである。ピッツァ・ナポレターナを目指すなら、生地のばし(伸展・成形)は、正に地獄だ。生地には穴が開き、作業台に引く打ち粉は、なぜか必ず多すぎるか少なすぎて、適量ということが無い。何よりも、皆さんがある程度自信を持ち、誰かをピッツァディナーに招待する(これを実現できる時が戻ってくれますように!)気になった正にその時、アクシデントが起こるのだ。

自分と家族に何ヶ月もピッツァを焼き続けた後、友だちを自宅に招いてのピッツァパーティを開くようになって、数回目のこと。穴の開いた1枚のピッツァが吐き出した煙がオーブンから立ち上り、我々全員をすっぽり包み込んだのだ!もしもそんな事態になったら、皆さんがホーム・ピッツァイオーロとしての自分の引き出しに収め続けているものごとの一切は経験値となり、あらゆる失敗は、まさにそこから学びを得る、成長の瞬間を意味することを思い出すこと。あきらめない!

シンプルなことを実行する

生地の仕込みにある程度自信が持てるようになると、他のテクニックに目が行くようになる。ネット上では、ビガが起こす奇跡のビデオが花盛りで、クラシックな直ごね方よりも手間暇かかる生地作りにあえて取り組んでみたいという思いが、むくむくと湧いて来る。しかし、その誘いに乗るのは、墓穴を掘るに等しい。

実験することには、もろ手を挙げて賛成する。むしろ、ピッツァ作り(と調理全般)の喜びは、常にチャレンジし、新しいものを生み出せること、正にその点にある。ただし、初期段階では、シンプルなものに限定し、再現可能かつ明確に定義された方法をしっかり身に着けるに越したことは無く、中種法やその他の目新しいものに手を出すとすればその後、と言うのが、私の意見である。そうすれば、いざ新しいものに取り組もうとする際、これをより明瞭にとらえ、エラーがあった場合はその本質をより正確に見極め、次の機会には訂正できるという結果につながるはずである。

常に学ぼうと心がける

ホームメイド・ピッツァを始めた時、私はYouTube上で、誇張では無く何十本ものビデオを見まくった。ビデオをシェアできるポピュラーな存在であるこのYouTubeは、生地作りの基本から然るべきピッツァ・ナポレターナづくりのための伸展・成形テクニックの様々なバリエーションまで、ピッツァの技を習得しようとする者にとって、まさに無限の宝の山である。アンテナは、常に張っておこう。あなたが評価しているピッツァイオーロが作業台に建つピッツェリアに居合わせたら、恐れず作業台のそばに寄り ― 言うまでも無いが、絶対邪魔にならないように ― 、彼の動きを観察しよう。出来る限りのものごとを、目で吸収するよう努めよう。作業中のピッツァイオーロを観察するだけで、ちょっとしたコツや改良点等、どれほど多くのポイントを盗めるものか、驚くこと請け合いである。また、あまり混んでいない時であれば、ピッツァイオーロ本人と言葉を交わせることも少なくなく、これが叶った夕べは、より有意義なものとなるだろう。

最後のアドバイスは、「他のホーム・ピッツァイオーロたちとオープンに比較・意見交換すること」である。これに関しては、特定のコミュニティからインスタグラムまで、インターネットが、数多の場所と機会を提供している。

ここまでついて来れた?宜しい!さあ、我らがホームメイド・ピッツァ・フェスティバルLievitamenteで、自慢の逸品をシェアし、さらに腕を磨く時が来た!

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