ナポリピッツァサミット2019

最新トレンドもクラシックなピッツアもオープンエアで楽しむ、 年に一度東京で開催されるナポリピッツァの祭典

Column by Luciano Ken — 4年 前

東京、汐留の商業エリア「イタリア街」で恒例の「ナポリピッツァサミット」が10月24日~27日の4日間開催された。
2011年から毎年、春ないしは秋に同地で開催されている。街区中央の広場に仮設の薪窯と大型テントを設置し、日頃ピッツェリアで窯に立つ多数のピッツァイオーロが焼くナポリピッツァを中心に、サイドメニューやビール、ワイン、カフェなどドリンク類を提供する。
会期中はサラリーマンから家族連れまで幅広いお客さんが集う、いまや恒例のイベントだ。
今年はナポリピッツァ職人協会日本支部が運営を担当。大西誠会長はじめ数多くのピッツァイオーロが顔を揃えた。今回は仮設の薪窯、薪窯を搭載した大型キッチンカーあわせて4基の薪窯で、お客を持たせることなくさまざまなピッツァを焼きあげた。

初日:10月24日

夕方5時ごろ、所用の合間にほんの小一時間ほど参加。
今年お目見えした新メニュー、最近本場ナポリで流行りの“デカ縁ピッツァ”こと「コンテンポラネア」。SNSでしばしば目にするようになったが、実は食べるのは初めて。縦に膨らみやすい独自のセモリナ粉をつかう最新スタイルのピッツァで、早速マリナーラをオーダーする。
窯スペースの横に出店しているバラデンビールのブースで、まだまだ国内で飲める場所が少ないロックンロール樽生を購入してペアリング。イタリア最初のクラフトビールであるバラデンとナポリピッツァは相性が良く、さまざまな店でペアリングしている。しかし樽生をオンリストするピッツェリアはまだ皆無。今回のサミットは、両者のペアリングが大きな楽しみの一つだった。
さっくりと軽い歯ごたえ、パンのような芳ばしい甘みが広がる生地と濃厚なポモドーロと溶け落ち、
そこに樽生ビールのきめ細かい泡、柔らかい喉ごしとホップの薫りがマッチ、交互に食べ進めスルスルと完食。
実はこの翌日、25日は近づく台風の影響で大雨が予想されていた。ちょうど大西会長より降雨のピークを避け、17時からの開催遅延がアナウンスされた。この措置で主催、お客両方に被害のないことを祈りこの日は退場。

3日目 10月26日

降雨を避け2日目は不参加、台風一過の土曜日の3日目は12時頃入場。昨日とうって変わっての晴天で気温も上昇、揚げ物やピッツァをオープンエアで楽しめるのはとても快適。
ピッツァの前にとりあえずバラデンビール。人気のサイドメニュー、アランチーニやトリッパのトマト煮にも樽生ロックンロールは合う。
この日食べたのは「コンテンポラネア」生地を使ったマルゲリータ・グランデサイズ。
無茶ぶりリクエストに応えてくれたスタッフたち、AVPN牧島副会長総指揮のもと流れ作業で焼いてくれることに。流石のパシュクアーレ、手際の綺麗な整形に見入る。
生地・窯・薪とアウェイな環境をものともしない焼成も見事な仕上がり。
サイズ感は傍らのバラデン330mlボトルと比較あれ。350gはあるグランテサイズも、テーブルに集まってくる友人たちと分け合いあっというまに食べ終わる。

10月27日

昨日同様12時頃会場着。この日の開催は5時迄。会場では変わらず本格薪窯で焼かれたピッツァ、前菜、ドリンク、カフェなどが楽しめた。
ステージで電気窯を使った職人技能コンテスト「ツジキカイカップ」が終日開催。よく見ると審査員席にAntonioの姿も。
この日はさまざまなピッツァを食べようと、前菜も食べずにいきなりピッツァを食べ始める。まずは通常の生地スタイルのマリナーラから。クリスピーな焼き上がりとトマトの甘みが食欲を誘う。
前日のSNS投稿を見たのか、会場で落ち合った友人から「大きなピッツァを食べたい」とリクエスト。またも窯スペースに懇願、今日は札幌の「ダルセーニョ デュエ」から参加した吉田健ピッツァイオーロが焼き上げるマルゲリータ・グランテサイズ。テーブルは歓声が上がる。生地は上々、大きな生地をじっくり焼きこむことで、心なしか風味が高まるような気がするのは気のせいだろうか。これも友人たちとよってたかってかっこんでペロリと間食。
続けてプッタネスカ&クワトロフロマッジ、ピッツァフリッタと食べ進める。ちょっとしたGiroPizzaモード。
昔から店に通い日頃お世話になってるピッツァイオーロのみなさん、古い友人、最近知り合ったお友だちまで、「おいしいピッツァをいろいろ食べられる」ことで三々五々集まる。ピッツァサミットはさまざまな人たちとピッツァを介して親交を深める機会でもあり、毎回楽しい。

ナポリピッツァサミット2019 最終日ステージ

最終日は会場のステージで、電気窯を使った職人技能コンテスト「第5回ツジキカイ・カップ」が開催された。日本全国から多数のピッツァイオーロが集まり、その腕を競った。特別審査員にAntonioも加わり、終始若手・中堅のピッツァイオーロ。その模様はステージ上のモニターで実況中継。集まったお客さんもピッツァを食べながら職人の手技やトッピングに見入った。
そして今年のTSUJI-KIKAIカップはトリを勤めた「トト」こと高山徹さんが優勝!!先ごろ結婚したばかりの高山さんはダブルのアニバーサリー。早速トトに「お店での祝勝会」を約して今年のサミットを締めくくった。

第4回ツジキカイチンクエチェントカップ


優勝 高山 徹さん

2位 Koichi Wadaさん

3位 Arashi Yamaguchiさん


おめでとうございます🎊😊


ナポリピッツァサミット2019 宴の仕舞

『21時完全撤収』に備え、窯を解体する前に余った生地を焼き炉温を下げる。
こうやって今年のピッツァサミットは終了する。
来年も楽しいFestaになることを希望したい。

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